もし自分がバンドマンだったらこうする。

僕はレコーディングエンジニアなので、色んなバンドさんとお付き合いさせてもらってます。その中にはやはりライブをしても集客10人以下というバンドもいます。でもその実、このファン10人の壁というのは結構分厚い気がするんですよね。という事で、僕はバンドマンでもないですがこの壁を突破するにはどうすれば良いのかを考えてみました。

 

僕自身はバンド運営とかに関しては全くの素人なのですが、僕がバンドマンだったらきっとこうするというのを前提に書いていこうと思います。まあ実際にはやっていないので、あくまで妄想です笑

 

バンドをやっているからには当然多くの人に見られたい、売れたい、音楽で食っていきたい、なんて欲求は当たり前のようにあるかと思います。世の中のバンドを見てると、ほとんど全てのバンドが集客10人に満たないんでないかな?と思っております。たぶんそんな統計ないと思うので勝手な推測ですけども。

 

バンドでステップアップしていくには大人の力が必要になってくる事もあります。例えばメジャーデビューとかインディーレーベルに所属するとか。

 

これは当たり前なんですが、そういった大人の力を借りる為にはそのバンドがお金を生み出してないと力を借りれません。大人たちも食っていかないといかんからですね。集客は全然ないけど音楽性が良いから一気にデビュー!みたいな夢物語はもうほぼないかと思います。

 

一昔前はたぶんあったんでしょうけどね(未確認)。ライブ終わりに、セーターを腰に巻いて立派な髭を蓄えたおじさんが、「君、武道館に行きたいかい?私が連れてってあげようじゃないか。」みたいな。一度はこういう洒落たセリフを言ってみたいですね。

 

今の感覚だと、どんなに音楽がかっこよいバンドでも集客100人は最低でもないと見向きもされないんじゃないかなと。

 

そんなこんなで、どうすれば集客10人の壁を越えられるか、目安として集客100人達成出来るかの案を出していこうと思います。

 

 

クオリティの高い音源を作る

これを一番初めにもってきたのは、僕的にはこれが一番最低限のレベルでないかと思ってます。

 

音源を作る際には必ず名前のあるレコーディングエンジニアに頼むべきですね。これは僕がレコーディングエンジニアやってるので偏見あるかもしれませんが。

 

要はちゃんとしたエンジニアが作る音でないと、曲の良し悪しに関わらず開始3秒で聞くのを止めるのではないかと思うんです。僕は完全にそうです。開始3秒で音質的に悪ければその後は聞きません。

 

これって色んな意味を含んでまして、センスのあるスタッフを選ぶセンスが無いアーティストは結果的にトータルとしてセンスが無いと思う訳です。良いスタッフを選ぶ力というのはほんと重要だと思うんです。音源の音がヘボいとまさにセンスが無いバンドなんだなーと感じてしまいます。

 

ネットが普及してない時代だったらそんな事も言ってられなかったと思うんですが、今はレコーディングエンジニアの情報なんてすぐ検索出来てコンタクトを取れる時代です。気に入った音源のクレジットを見て、そのエンジニアの名前を検索すればすぐそのエンジニアに辿りつけるはずです。

 

僕だったら、いくつか好きな音源をピックアップして、そのクレジットに乗っているエンジニアの名前を検索し、実績やその他の作品を一通り聞いてみます。ミュージックマンネットを見ても、エンジニアが160人くらい乗ってる訳ですからその方々も全てチェックしておきます。

http://www.musicman-net.com/townview_tn0506.html

 

その中で良さげなエンジニアをいくつか絞ってとりあえずメールを送ってみますね。断られようがなんだろうがそんなの知ったこっちゃありません。とりあえず声掛けてみます。もちろん、その方にどうしてもエンジニアをやって欲しいという熱意とある程度のお金の用意はしておくべきですけどね。

 

とまあ、音源をどのタイミングで作るかなんて色々諸説はあるかと思いますが、ちゃんとした音源を作っておくと動きやすくなるんじゃないかなと思うんです。

 

 

サイト、アー写をちゃんとする

音源もそうですが、サイトとアーティスト写真の3つはまずしっかり整えるべきなんじゃないかなと思ってます。

 

例えば、たかがアー写と思うんですけども、なぜか見た目がしょぼいと演奏もしょぼいという事例がほとんどです。少なくとも僕は、見た目むっちゃダサいのに曲むっちゃかっこいいとか見た事がありません。

 

バンドのサイト、アー写ってそのバンドのイメージを決定づける要素がかなり大きいんですよね。というか、バンドをやっていて世間的にファン的にどう見られているかを意識できないバンドは先がしれてるんじゃないかと。

 

それと、バンドの見た目と音楽性を一致させるというのは結構重要かと思ってます。やっぱり売れているバンドを見ると見た目通りの音を出しているんですよね。その反対で、売れていないバンドは見た目と音楽性が結構ちぐはぐだったりして違和感を感じてしまう事が多いです。

 

と、ここまでが僕が思うほんと最低限のレベルなのかなと思います。これをやった上でその次に進めるんじゃないかなと。

 

 

自分のバンドと似た音楽性のバンドをひたすら探す

一から自身のバンドだけどファンを増やしていこうとなるとそれはそれは大変かと思います。というよりも、複数の音楽性が似たバンドでそのシーンを盛り上げていく、作っていくという事が大事ではないかなと思ってます。

 

このどんなバンドと付き合っていくか、というのは極めて重要で、ヘボいバンド同士の傷の舐め合いみたいになってはいけません。同じ志を持った音楽性が優れたバンドと数多く付き合っていくべきです。

 

要は、そのバンドと対バンしてそのバンドのファンが自分のバンドのファンになりうる可能性が高いか、という事が自分のバンドと似た音楽性のバンドを探す基準になるんじゃないかなと。

 

まだ自分達のバンドは集客がほとんど出来ていない状態ですから、それと同じレベルくらいでありつつ、音楽性が良いバンドというのを探し出します。今の時代、ほとんどのバンドがSNSなんかをやってますから数多く当たればちょこちょこ見つかってくるはずです。でもこれ意外に結構むずいですね。

 

インディーズバンド試聴サイトAudioleafなんかを活用するのも一つの手ですね。かなりめんどくさいですが、同じジャンルっぽいバンドは全て聞いてみます。

https://www.audioleaf.com/

 

その中で良さげなバンドがいれば、実際にライブを見に行ってみて、実際良いバンドだったなら、初めに作った音源を渡したり、サイトを見に来てもらったり、自分のライブに招待するなりして無理矢理なんとか仲良くなっておきます。

 

それと、自分達のバンドと似た音楽性だけども、よりランクの高いバンドも全て把握しておくべきでしょう。もちろんそのバンドのライブも見に行きます。集客100人くらいのバンドであればライブ終わりとかに話が出来るので、もう無理矢理話をして認知してもらいます。プラス、どさくさにまぎれて自分の音源を渡してみます。

 

 

出演するライブは選ぶ

前項の自分のバンドと似た音楽性のバンドをひたすら探すところからなんですが、とにかくそういう人達や音楽性が違っても曲が良いバンドや集客があるバンドとしか対バンをしません。適当に寄せ集めたライブハウスのブッキングライブには何が何でも出演しません。

 

お客の立場からすると、2000円~3000円も支払ってそのバンドしか見ないとかあまりに値段が高いように感じます。どうせならイベント自体を楽しめないと、二度とそのライブには行きたくないんじゃないかなと。

 

ライブをするならライブハウスでしょ!みたいな常識があるように思いますが、集客出来ないバンドにとってはライブハウスのノルマというのがかなりつらく、ただでさえお金ないのでバンドの体力を奪っていくんですよね。

 

もちろんライブをするなど、バンドとしての継続した活動は大事なので初めのうちはなるべくお金が掛からない場所でライブをするようにします。

 

例えば、リハーサルスタジオでスタジオライブ。集客10人未満なら全然ありだと思うんですよね。客が来なけりゃ開き直ってもう普通に練習するみたいな。どのリハーサルスタジオでもそういった事が出来るかというのは分かりませんが、いくつかのリハーサルスタジオではスタジオライブをやってもいいみたいな所はあるみたいですね。

 

ギャンギャンにうるさくないなら、カフェのスペースなんかでライブをさせてくれたりする所もありますね。ちなみに路上ライブはちょっとお奨め出来ません。そもそも道路交通法に違反してますから相当リスクが高いライブになります。

 

ちょっとした工夫とアイデア次第で、自分達の金銭的負担が少なく、お客さんに喜んでもらえるライブというのは出来ると思います。

 

 

時間の使い方

これどの職種でもそうだと思うんですが、何か1つの事で食っていこうとするなら圧倒的にその事に時間を使わないと話になりません。

 

 

これは持論ですが、例えばバンドで食っていこうとするなら1日につき最低8時間はバンドの何かしらの活動に使うべきだと思ってます。楽器の練習、曲作り、雑務、なんでも良いと思います。

 

というのも、売れているバンドというのはそれで食えている訳ですから、特に意識しなくても1日の大半がそのバンド活動に当てられる訳です。まあだいたい1日の労働時間というのは8時間くらいが平均ですよね。

 

最低限その人達と同じくらいの時間を使わない限りどんどん差が開いていくんですよね。

 

なので、時間の使い方として、8時間バンド以外の事で普通に働いたとしたらプライベートの時間で8時間くらいは全てバンド活動に当てます。

 

ただ、1日16時間働くというのはかなりの根性がいるんですよね。結構これって身体を壊しかねない時間の使い方です。となると、生活の固定費を抑えて、稼ぎが少なくても生活していけるという工夫が必要かなと思います。どのみち何かを犠牲にしないと無理ですね。

 

たまに思うんですが、何かを犠牲にしたくもなく大きく得るものだけが欲しいなんて思う人が多いんじゃないでしょうか。何かを得たいならその分何かを犠牲にするというのはもう世の中の摂理だと思うんですよね。

 

 

その他アイデア

ちょこちょこバンドに関するアイデアはあるんですが、その中でいくつかこうしたらいいんじゃない?的な事を。

 

 

 

  • アンケート

 

よくライブ終わりでアンケート書いてくださいーみたいな感じでアンケート用紙を配っているバンドもいると思うんですが、僕は基本的にアンケートは書きません。まあだいたい興味ないバンドからそのアンケート用紙を渡されて任意で書いてください的な感じなんですが、興味もないバンドに対してこちらにメリットがないとアンケート書く時間がもったいないんですよね。

 

普通は自分のバンドに対して興味ないのがほとんどだと思うので、何かしらアンケートを書いてもらったらその分何かをお礼するべきだと思います。無償で書いてくれなんてよっぽどのお人よしでない限り書いてくれません。

 

なんでもいいと思うんですけど、例えばアンケート書いてくれたらグッズのステッカーをプレゼントとか、自分達の音源の1曲のシングルカット版を作っておいてプレゼントするとか。

 

  • 物販での音源

 

これちょっと疑問というか、物販で音源置いているのは当たり前なんですけど、僕はその音源を試聴したいんですよね。いくらライブが良かろうが。タワレコとかなんでも音源買う時って試聴して買うじゃないですか。

 

1000円とか2000円とか払って音源を買う訳ですから、いくらライブが良くても良い音源でなければ買いたくないんですよね。物販等でバンドにお金を落とすのはそのバンドに対する応援的な意味もあると思うんですが、それ以前に安くないものを買うんですから少しでも良いものを手に入れたいというのは当たり前だと思います。

 

ポータブルCDプレイヤーと、ヘッドフォンさえあれば簡単に試聴コーナー出来るんだからそれくらいあっても良いんじゃないかなと思ってます。

 

 

とまあその他にも色々あるんですが、細か過ぎて伝わらないみたいな事になってくるのでまた機会があれば。

 

 


ざっと思う事を書いてみましたが、とにかく失敗しようがなんだろうが、考えに考えつくした上でそれをトライアンドエラーやりつつ少しずつやり方を修正していくべきなんだろうなと思ってます。

 

クリエイティブな事をする上での良し悪しって考える事の深度の深さが重要になってくると思うんですよね。小手先で表面をちょこちょこっとなぞっただけでは何も意味がありません。

 

そんな訳でやった事もないのに好き勝手書いてみました笑

You may also like