本来のレコーディングとはいったい
「手軽になったレコーディング」と「本来のレコーディング」について、というコラムを見つけて読んでみました。そこで「本来のレコーディング」とはどういうものなのかという事が書かれていたんですが、多少違和感を感じました。それはいったいなぜか、というのを書いてみようと思います。
そのコラムというのがこちらですね。
「手軽になったレコーディング」と「本来のレコーディング」について
このコラムで書いてある事のほとんどは僕も同意なんですが、ここでの一番肝心な「本来のレコーディング」とは何か?という事について違和感を感じる訳です。コラムから引用させてもらうと、
本来のレコーディングはアーティスト、ミュージシャン、ディレクター、マネージャー、プロデューサー、レコーディングエンジニア、テクニカルエンジニア、場合によってアレンジャーやレンタル機材業者が随伴して行われます。基本的にはレコーディングスタジオで行いますが場所は絶対にそうとは限りません。またこれらの人材のうちいずれかが居ない場合は大抵の場合その役割を兼任している場合が多いです。
とありますね。もちろん、これだけが言いたい訳ではないはずなので、詳しくは全文見られた方がその意味を掴めるかと思います。
そこで何に違和感感じるかと言うと、僕が思う「本来のレコーディング」というのは、アーティストにとって一番最適なレコーディング方法を行うって事なんです。上記のような沢山のスペシャリストが関わるレコーディングは、あくまでアプローチの1つだと思っている訳です。
とはいえ、誤解があってはいかんですが、引用部分のような沢山のスペシャリストが関わるレコーディングって、まあほんと素晴らしいというか、勉強になるというか、それに関しては何も否定するところはないんですが、それが「本来のレコーディング」って言いきってしまうとそれはそれで違うんでないかと。
それと、多くの場合で上記のような数多くのスペシャリストが関わるレコーディングが最適である事は間違いないかと思います。アーティストにとってそういったアプローチが最適である場合に限り「本来のレコーディング」という事になるんだと思います。
言い方を変えると、本来そういった数多くのスペシャリストが関わるレコーディングが最適なはずであるアーティストなのに、それが予算の都合等で出来ないとなると、本来のレコーディングが出来ていないなんて事になるんじゃないでしょうかね。
でもまあ一番大事なのは、冒頭にも言ったように、アーティストにとって一番最適なレコーディング方法を行うって事なんじゃないでしょうか。
例えば、ちょっと記憶が曖昧で不確定な事なんですが、ギターウルフがデビューの時にプロスタジオでレコーディングしていた時に、「なんか違うんだよなー。。。」みたいな事がずっとあったそうです。
で、彼らは普段からデモテープ作る時にカセットMTRを使用しており、試しにレコーダーをカセットMTRでやってみるとしっくりきて、それによりテンションが上がり良い作品が出来た的な。
こんな感じの事をなんかで見たか聞いたかの気がするんですよね。。いやー、ちょっと調べてみたんですがソースがない笑
なので情報は不確定です!!
でも十分有りえる事ですね。そういったアプローチがアーティストにとって、曲的に、テンション的に一番ポテンシャルを発揮出来るならそれで良いんだと思います。むしろこういった時代だからこそ、色々柔軟にレコーディングのやり方というのを考えた方が新しいものが生まれるかもしれないですね。
そこで、レコーディングエンジニア的に重要なのは、引用部分にあるような様々なスペシャリストが関わるレコーディングでも対応出来る技術を身に着けておくという事なんじゃないかなと思ってます。
これいざぱっとやろうとしても出来ないんですよね。色んな人の思惑や個性がぶつかり合う現場なので、そこをうまくさばいていかないと進行出来ないので。そこはプロスタジオでの経験があるかないかでは差が結構生まれます。
という事で、そういった技術の事もあれど、レコーディングというものを柔軟に考えれる思考は持ちたいものですね。修行です。