エンジニアリングに影響あった音達
レコーディングエンジニアやっていると、曲そのものより、音作りがどうなってるか?なんて事に耳がいったりする訳ですけども、今まで聞いてきた中で上原のエンジニアリングに影響があった曲を紹介してみようと思います。
20代前半の頃はコンテンポラリーなジャズやアシッド、ジャムなんかをよく聴いていて、そういった音に影響受けたものが多いので、今回はそういった方面の音を中心に紹介しようかと思います。それで何が良いのかざっと解説してみます。
(YouTube動画を貼るのはあくまで参考にという事で。Youtubeの音質では良さが伝わらないのでCD買いましょう!)
Nuspirit Helsinki – Seis Por Ocho
北欧クラブジャズ。電子音や打ち込みドラム、生音を組み合わせた音なんですが、生音の艶めかしい音に乾いた打ち込みドラムの音の組み合わせが最高にかっこいいす。死ぬほど聞いた。
全体的に乾いた音作りな印象で、音がリアルなんですよね。生音も打ち込みも。2002年のアルバムですけども、今聞いても全然古さを感じない。リズムの組み立て方や一瞬のギミックなんかも秀逸で、そういった仕掛けは今のエンジニアリングに生きていると思います。(たぶん)
Herbert – I Know
イギリスの電子音楽作曲家。音の質感がもうグレイトにかっこいい。どうやったらこんな音作れるのか謎です。生音を加工したり、日常音をサンプリングして曲の入れ込んだりしてるんですが、そういった生音を加工して散りばめるという手法によって、人力エレクトロニカな質感が素晴らしいのです。
その中でも特にお気に入りなのがこの曲。生音も独特の質感があってカッコいいのプラス、グリッチやリバースなどが随所に入っていたり、生音に馴染む電子音が入っているのがたまりません。何気にfox capture planのエンジニアリングで一番参考にしているのはThe Matthew Herbertだったりします。生音を加工してグリッチ入れたりするのは完全にこの方のを参考にしております。
The John Scofield Band – Philiopiety
アメリカのジャズギタリスト。ジャム要素が多いThe John Scofield BandのアルバムUp All Nightに収録されてます。
ドラムの質感と、ベースの質感具合が最高です。スネアのこの乾いた音と、キックの生音感が好きです。なかなかキックはこんな音に出来ないんですが、そもそも出音が良いんだろうなと。4:46からスネアの音がいきなり太くなって近くなるんですが、この演出が地味に物凄くカッコよくてしびれます。これはあえてだよね?たぶん。というか、曲そのものが超スリリングでやばい。
The RH Factor – Hard Groove
サックス奏者Roy HargroveによるプロジェクトThe RH FactorのアルバムHard Grooveから。
ホーンの音が良いのももちろんなんですが、これまたドラムの質感がかっこいいのです。キックのもちっとしたアタックと程よいリリース具合が絶妙です。スネアの乾いた質感でそれほど加工してない風?の音なんですが、ばっちり抜けてくる音も素晴らしい。1:46からドラムにフランジャーが掛かっているんですが、これを聞いて、あらドラムにフランジャー掛けても良いのか、かっこいいじゃないかと。
The Solsonics – Jazz in the Present Tense
西海岸ACID JAZZブーム期に活躍したバンド「THE SOLSONICS」。
90年代前半のいかにもACID JAZZな音で、当時はこの音を出したくてしかたありませんでしたが、結局どうやったらこんな音になるか分からずじまいでした笑
SleepWalker – Resurrection
ACID JAZZ繋がりで、言わずもがな日本のクラブジャズバンドのSleepWalker。
1枚目のアルバムが大変好きなんですが、エンジニア的にこの曲のドラムがどうやっているのが謎なんですが、カッコいい。ドラムの定位が変で(それがかっこいいんですが)、これどうやって音作っているのかいまだに分かりません。独特の歪んだ音も素晴らしい。これを聞いて、カッコよければ何やっても良いんだなーと思いました笑
他にも色々あるんですが、挙げだすとキリがないのでこの辺りで。というか、何度聞いてもこういった音を作れる気がしません。。レベル高い。。っょぃ。 勝てなぃ。。
いつか到達できますように。(祈り)