レコーディングエンジニア渡辺省二郎さんのツイートとか
大御所レコーディングエンジニアの渡辺省二郎さん。以前はツイッターで色々勉強になる事をつぶやいておられたのですが、もうアカウントを消してしまわれたようです。色々見直そうなんて思ってたのですが。。なので、Togetterまとめ等に残っているツイートを引っ張ってこようかと思います。
飽和感とTotal Harmonic Distortionについて
*以下、渡辺省二郎さんのツイートより引用
ああ、飽和感について書こう。アナログって突っ込めば突っ込むほど飽和感が出てくる。(デジタルでは歪むか否かのみ)飽和してくるとHarmonicDistortionてのが発生して気持ちよくなる。これは本当に歪む一歩出前で発生する。エンジニアはここを狙う。
レコーディングのプロセスの様々な所でTHDは発生します。まずは入り口であるマイクの中の回路。その後につなぐヘッドアンプ。EQ,Comp。そしてテープに録るならテープ。ProToolsに録る場合は降発生しません。発生しないのでTHDを付加するプラグインが山ほどあります。
マイクでTHDの発生が多いのはやはり真空管マイク。高級ヴィンテージマイクなら47,49,67,269,251,C-12などなど。その中でも一番THDが多いなと思うのは67。
しかしヘッドアンプを上げていけば同時にトランジェントも失われていくから、そこにも気を使いつつ。(以外と気を使っているんですw)
僕の場合だと、特にドラムでこのTHDとトランジェントの関係性を気にして録ってます。ドラムなんかの打楽器だと、アタック成分でレベルが入り過ぎていて、実際の音量は思いのほか小さかったりするので、ある程度THDを発生させてトランジェントを抑えつつ録ってます。ドラムは録りレベルをおさえて録るとどうしても細くなりがちです。
あと、歌とTHDの関係はかなり慎重にやらないと死にます。いくらTHDを付加させたいからといっても、歌が歪んでしまうとシャレになりません。
『レコードの音って懐古趣味的にとらえてる人もいるかもしれないけど、ちゃんとしたシステムで再生するとびっくりしますよ。』
*以下、渡辺省二郎さんのツイートより引用
アナログのカットは内側つまり盤の最後が一番難しい。カーブきついので。音量あまり入れられない。でもどうしても最後の曲は盛り上がる曲が多い。最後の曲だけレベル下げるわけにいきません。そこまで見越して全体の曲のレベルを決めます。逆に言うと最後の曲が地味ならレベル上げられる。
アナログのカッティングなんかについても書かれてます。
マスタリング / カッティング・エンジニア 小鐵 徹さんのミュージックマンネットでのインタビューと合わせてみるとなかなか面白いです。
身体を突き動かす「格好良い音」を追い求めて【前半】
http://www.musicman-net.com/focus/60.html
身体を突き動かす「格好良い音」を追い求めて【後半】
http://www.musicman-net.com/focus/61.html
リアルタイムでこの時代の事を全く知らないので、なかなか興味深いですね。。こういった現場に立ち会える事はもうないかもです。
あとはhiwihhiからの検索も少し。
https://hiwihhi.com/shojirowatanabe
*以下、渡辺省二郎さんのツイートより引用
ある女性アーティストに自分の声の質感を女性のおっぱいの形で説明されたことがあります。おっぱいを絵に書いて「今の声はこんなおっぱい。そうじゃなくてこんなおっぱいみたくして欲しい」と。良ーく分かりました。なので以前から「ミックスには人生経験が必要だ」と言っているのです。
全ての女性アーティストがおっぱいの形を用いてエンジニアに説明して頂けたらどんなに幸せでしょうか。その時は、下記のようなEQを用いて応じようと思います。
僕は貧乳好きなので、おっぱEQのdBは+5~6dBくらいがいいかな。+12dBくらいまでいっちゃうと巨乳だしな。 pic.twitter.com/2VocC5l65t
— ShoUehara (@upopo_sho) 2015, 12月 7
渡辺省二郎さんのツイートをもっと色々見たかったのですが、もうあまりアーカイブがないようですね。またツイッターを再開してくれる事を願っております。